「学校では、仕事の本当の難しさは教えてくれなかった」

入社1年目の私は、
「とにかく頑張れば、いつか報われる」と信じていた。
遅くまで残って、言われたことは全部やって、
ミスしないように何度も確認して。
学生時代と同じように、“正解”を出し続ければいいと思っていた。
でも新卒3年目になった今、はっきり分かる。
仕事は、努力の量で評価される世界じゃなかった。
「ちゃんとやってるのに、なぜか評価されない」
1年目の評価面談で言われた言葉が、今も忘れられない。
「真面目なのは伝わるけど、もう一歩だね」
もう一歩って、どこだろう。
言われたことは全部やっている。
締切も守っている。
それでも評価は“可もなく不可もなく”。
後から気づいたのは、
「頑張る方向」がズレていたという事実だった。
仕事で評価されるのは、
- 上司が楽になること
- チームが前に進むこと
- 会社にとって意味のある成果
「自分がどれだけ頑張ったか」じゃなく、
**「相手にとって何を生んだか」**だった。
正解は、用意されていない
学生時代は、
・教科書
・模範解答
・採点基準
が必ず存在していた。
でも仕事では、こう言われる。
- 「ケースバイケースだね」
- 「前例はないけど、どう思う?」
- 「任せるよ」
最初は無責任に聞こえた。
でも違った。
これは放置じゃなく、“判断する権利”を渡されていた。
その代わり、
間違えたら自分の責任になる。
学校が「正解を出す訓練」なら、
仕事は「正解を作る訓練」だった。
仕事ができる人は、最初から一人で抱えない
2年目の頃まで、私は相談が苦手だった。
「こんなこと聞いたらレベルが低いと思われる」
「もう少し考えてからじゃないと…」
その結果、
締切直前で方向性がズレていることが発覚する。
一方で、仕事ができる先輩は違った。
- 方向性が決まる前に確認する
- 仮説を持って相談する
- 早めに巻き込む
相談は「助けを求める行為」じゃない。
仕事の精度を上げるための戦略だった。
仕事の大半は「人との調整」でできている
思っていた以上に、仕事は感情の世界だった。
- 正論でも、言い方一つで通らない
- 正しくても、タイミングが悪いと嫌われる
- 相手の立場を考えないと、前に進まない
資料作成より、
メールの一文に悩む時間の方が長い日もある。
学校では教えてくれなかったけど、
仕事は人間関係の上に成り立つ共同作業だった。
「向いてない」と感じ始めたのは、成長したから
3年目に入った頃、何度も思った。
「自分、社会人向いてないかも」
でも今なら分かる。
それは“何も分かっていなかった頃”を抜けた証拠だ。
見える範囲が広がったからこそ、
- 自分の足りなさ
- 仕事の難しさ
- 周囲との違い
に気づいただけ。
悩み始めた時点で、もう1年目の自分とは違う場所に立っている。
新卒3年目の今、あの頃の自分に言いたいこと
仕事は、「頑張れば正解がもらえる世界」じゃない。
でも、
- 考え続けた分だけ、判断力は身につく
- 失敗した分だけ、視野は広がる
- 悩んだ分だけ、人の気持ちが分かる
もし今、
評価されていない気がして苦しいなら、
それは「止まっている」のではなく、
見えないところで力を蓄えている途中だ。
新卒3年目は、
うまくいかなくて当たり前だ。
でも、ここを越えた先で、
仕事は少しずつ「分かるもの」に変わっていく。

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