雑誌やネットを見れば「東京の必食ラーメン!」なんて記事は山ほどある。でも、正直なところ「評価が高いから」という理由だけで選んだお店って、一回行けば満足してしまって、記憶に残らないことも多くないだろうか?
本当に美味しいラーメン、つまり「また絶対食べたい」と脳と胃袋が記憶してしまうラーメンは、その日の自分の本能にドスッと突き刺さる一杯だ。
今回は、ため息が出るほど芸術的な一杯から、理性をぶっ飛ばすジャンクな一杯まで、私が東京でガチで通っている(そして愛してやまない)お店を3つ紹介したい。
美しすぎる淡麗系「らぁ麺 健やか」(三鷹)


まずは、「これぞ東京の洗練されたラーメン!」と声を大にして言いたい名店から。三鷹にある「らぁ麺 健やか」だ。
ここのラーメンは、とにかくスープが凄い。無化調でありながら、鶏と魚介の旨味が幾重にも重なっていて、一口すすると「あぁ、日本人に生まれてよかった」と本気でため息が出る。
個人的な推しは「塩らぁ麺」。着丼した瞬間にフワッと香るトリュフオイルの香りにやられ、パツッとした歯切れの良い自家製麺をすする手が止まらなくなる。低温調理のレアチャーシューもしっとりエロティックで最高だ。日々の喧騒を忘れて、背筋を伸ばしてじっくりと向き合いたい、ご褒美のような一杯。
「東京の店じゃないじゃん」と笑うな。中毒性最強の黄色い看板「来来亭」(都内各所)


「は?東京のラーメン記事で来来亭?全国チェーンじゃん」と思ったあなた。ちょっと待ってほしい。
たしかに滋賀発祥のチェーン店だ。でも、都内(石神井公園や武蔵村山など)のロードサイドで、夜ふけにあのギラギラした黄色い看板を見つけたときの謎の安心感を知っているだろうか?
ここの「京都風醤油ラーメン」は、完全に別腹、いや、別ジャンルだ。鶏ガラスープに背脂チャッチャ、そして一味唐辛子のピリッとした辛さ。 席に座るなり「がっつりA定食、麺バリカタ、ネギ抜き、背脂多め、醤油濃いめ」と呪文を唱える。細麺に背脂とネギをたっぷり絡ませてワシワシと食らう。洗練?上品?そんなものはどうでもいい。仕事で疲れた日や、無性にジャンクなものを胃袋にブチ込みたい夜、来来亭のラーメンは五臓六腑に強烈に染み渡るのだ。情熱は、確かにここにある。
刺激という名の暴力と快楽。カラシビ味噌らー麺「鬼金棒」(神田)


健やかで浄化され、来来亭で本能を満たしたなら、最後は刺激を。神田にある「鬼金棒(きかんぼう)」を外すわけにはいかない。
ここはただの辛いラーメンじゃない。「カラ(唐辛子の辛さ)」と「シビ(山椒の痺れ)」のレベルをそれぞれ選べる狂気の味噌ラーメンだ。
ドロリとした濃厚な動物系スープに、容赦なく襲いかかってくる痺れと辛さ。むせそうになりながら極太麺をすすり、角煮のように分厚くトロトロのチャーシューにかぶりつく。汗だくになりながらドンブリと格闘した後の、あのサウナ上がりのような「ととのう」感覚。圧倒的なパンチと多幸感を求めているなら、絶対に神田へ向かうべきだ。
ラーメンの好みは人それぞれだけど、だからこそ面白い。今日は無化調スープを嗜む気分か、それとも背脂とネギを貪る気分か、それともスパイスと格闘する気分か。
綺麗事抜きのラインナップになったけれど、どれも自信を持っておすすめするお店だ。騙されたと思って、次の一杯の候補に入れてみてほしい。

